Castellino SM, Li H, Herrera AF, et al. Three-Year Follow-Up of Nivolumab-AVD Versus Brentuximab Vedotin-AVD in Adolescents With Advanced-Stage Classic Hodgkin Lymphoma on S1826. J Clin Oncol. Published online January 9, 2026. doi:10.1200/JCO-25-00203
Why this paper matters
本研究は、進行期古典的ホジキンリンパ腫(cHL)において、ニボルマブ併用療法(N-AVD)が従来の標準治療を上回る有効性と安全性を、小児・AYA世代を含む全年齢層で裏付けたものである。特に、思春期集団において晩期毒性のリスクとなる放射線療法の使用を劇的に減少させた点は、将来の二次性発がんや臓器障害の軽減に直結する重要な成果といえる。
Study overview
進行期cHLの標準治療としてブレンツキシマブ ベドチン(BV)併用療法が普及したが、成人での毒性増加や小児における放射線療法(RT)の回避、および再発の克服が依然として課題であった。
S1826試験は、12歳以上の未治療進行期(III期またはIV期)cHL患者994例を対象に、N-AVD療法とBV-AVD療法を比較した国際共同第3相ランダム化比較試験である。
主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、年齢や国際予後スコア(IPS)、RT実施予定の有無で層別化が行われた。本解析では、全集団の中間解析データに加え、12〜17歳の思春期集団(240例)における3年間の追跡結果および患者報告アウトカム(Ped-PRO-CTCAE)を用いた評価が統合されている。中間報告はこちら。
Key findings
全集団(中央値2.1年フォローアップ)の2年PFSは、N-AVD群で92%、BV-AVD群で83%であり、N-AVDによる有意な改善が認められた(ハザード比 0.45、95% CI 0.30-0.65)。
12〜17歳の思春期集団に限定した3年フォローアップにおいても、3年PFSはN-AVD群で93%、BV-AVD群で82%と長期的な優越性が維持されており、RTの実施率はN-AVD群でわずか0.8%に抑制されていた。
安全性に関しては、グレード2以上の末梢神経障害は思春期集団でN-AVD群が7%、BV-AVD群が14%であり、Ped-PRO-CTCAEによる自己評価でもN-AVD群で腹痛、下痢、神経障害の症状が少ないことが示された。
甲状腺機能障害はN-AVD群で7%に認められたものの、全体としてN-AVD群はBV-AVD群より優れた副作用プロファイルを有していた。
Clinical perspective
本研究は、小児と成人の臨床試験ネットワークが連携し、全年齢層で共通のレジメンを用いてPD-1阻害薬の有用性を証明した。
思春期集団において、従来の強力なA+AVD療法に匹敵する効果を維持しつつ、RTをほぼ完全に排除できたことは、治療体系の大きな進歩である。
さらに60歳以上の高齢者集団においても、N-AVD群は2年PFS(89%対64%)および2年OS(96%対85%)でBV-AVD群を上回り、忍容性の面でも新たな標準治療となり得ることが示されている。
高齢者における前向きなフレイル評価の欠如という制限はあるが、N-AVDは全年齢層の進行期cHLにおける優先的な選択肢として確立された。
今後はバイオマーカーを用いたアントラサイクリンの減量や、より低年齢の小児、早期cHL患者(NCT05675410)への展開が予定されている。


