Minson A, Verner E, Giri P, et al. Glofitamab Combined With Pola-R-CHP or R-CHOP as First Therapy in Younger Patients With High-Risk Large B-Cell Lymphoma: Results From the COALITION Study. J Clin Oncol. 2025;43(23):2595-2605. doi:10.1200/JCO-25-00481
Why this paper matters
高リスク大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)において、標準的なR-CHOP療法では治癒率が50%未満に留まる若年患者群の予後改善が急務である。
本研究は、二重特異性抗体グロフィタマブを既存の化学療法に上乗せする新たな一次治療戦略の実行可能性と高い奏効率を示しており、未充足の臨床需要に応える有望な選択肢を提示している。
Study overview
標準治療による予後不良が予測されるIPI 3点以上、NCCN-IPI 4点以上、またはFISHを用いたMYCとBCL2/BCL6の遺伝子再構成を伴う65歳以下の未治療高リスクLBCL患者を対象とした多施設共同非盲検第II相試験である。アントラサイクリンでの治療歴のないリヒター症候群以外のインドレントリンパ腫の形質転換を許容した。
患者は1サイクルのR-CHOP投与後に、グロフィタマブ併用Pola-R-CHP群(n=40)またはグロフィタマブ併用R-CHOP群(n=40)に割り付けられ、5サイクルの導入療法と2サイクルのグロフィタマブ単剤療法を受けた。
glofitamab Step-up dosing
サイクル 2: 2.5 mg (day 8), 10 mg(day 15),
サイクル 3-6: 30 mg (day 8)
サイクル 7-8: glofitamab monotherapy
主要評価項目は安全性および治療完遂可能性とし、副次評価項目に奏効率および生存期間が設定された。
Key findings
評価可能な80例において、全奏効率(ORR)は100%、最良効果としての完全代謝奏効(CMR)率は98%であった。
20.7カ月の中央値追跡期間における2年無増悪生存(PFS)率は86%、2年全生存(OS)率は92%と推定された。
治療完遂率は95%を超え、相対的投与強度の中央値は94%を上回った。安全性に関しては、サイトカイン放出症候群(CRS)が21%に認められたが、全例がグレード2以下であり、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の発現は報告されなかった。
Clinical perspective
本研究は診断から治療開始までの期間を中央値14日間に短縮し、進行の速い高腫瘍量患者を1サイクル目の化学療法後に登録可能とした設計により、従来の臨床試験で除外されがちであった予後不良集団に対する有効性を実証した。
通常の臨床試験では、登録前のスクリーニングに数週間を要するため、緊急の治療が必要な進行の速い患者が除外される選択バイアスが生じることが課題であったが、未治療の患者だけでなく、すでに1サイクルのR-CHOP療法を受けた患者の登録も認める設計とした。この柔軟な登録プロセスにより、診断から初回治療開始までの期間を中央値14日間(IQR: 8–20.2日)という短期間に抑えることが可能となった。
POLARIX試験のIPI 3-5点群における2年PFS率75%と比較して、本研究の86%という結果はグロフィタマブの上乗せ効果を強く示唆している 。
若年者に限定された小規模な試験であるという制限はあるが、現在進行中の第III相SKYGLO試験の結果により、一次治療における二重特異性抗体の位置づけがさらに明確になることが期待される 。


