Gutierrez A, Zeberio I, Peñalver FJ, et al. Tafasitamab plus lenalidomide as salvage therapy in diffuse large B-cell lymphoma: real-world experience from GELTAMO. Blood Adv. 2025;9(19):4924-4935. doi:10.1182/bloodadvances.2025016661
Why this paper matters
第2相L-MIND試験(https://doi.org/10.1016/s1470-2045(20)30225-4)の基準に適合しない高齢者や合併症を有する再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に対し、タファシタマブ・レナリドミド併用療法のリアルワールドでの有効性と安全性を実証した。臨床試験データと乖離しがちな実臨床において、適切な患者選択とレナリドミドの用量強度維持が長期的な治療反応に直結することを示唆している。
Study overview
自家造血幹細胞移植やCAR-T療法の適応とならない再発・難治性(R/R)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の予後は極めて不良であり、L-MIND試験(https://doi.org/10.1016/s1470-2045(20)30225-4 , final analysis https://doi.org/10.3324/haematol.2023.283480)で示されたタファシタマブ・レナリドミド(T/L)併用療法の有効性を実臨床で検証する必要があった。
L-MIND試験は、自家造血幹細胞移植(ASCT)の適応とならない1〜3ラインの前治療歴を有する再発・難治性(R/R)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を対象とした、多施設共同、非盲検、単群、第2相試験である。Fc領域を改変して抗体依存性細胞傷害活性を強化したヒト化抗CD19モノクローナル抗体であるタファシタマブとレナリドミド(25 mg/日)を最大12サイクル併用し、その後タファシタマブ単剤を病勢進行まで継続する投与スケジュールが検証された。
タファシタマブは12 mg/kgの用量で、約2時間かけて静脈内投与され、サイクル1~3では、タファシタマブは週1回、1日目、8日目、15日目、22日目に投与された。サイクル1の4日目には追加の負荷投与が行われた。サイクル4からは、タファシタマブは14日ごとに投与され、各サイクルの1日目と15日目に投与された。
主要評価項目である中央判定による客観的奏効率(ORR)は60%であり、そのうち43%が完全奏効(CR)を達成した。
生存期間解析では、奏効期間(DOR)の中央値が21.7ヶ月、無増悪生存期間(PFS)の中央値が12.1ヶ月と、移植不適応患者群において持続的な治療反応が示された。
安全性解析では、グレード3以上の好中球減少(48%)や血小板減少(17%)などの血液毒性が主な有害事象であったが、非血液毒性の多くは低グレードに留まり、高齢者や合併症を有する集団における高い忍容性が実証された。
本研究は、スペインの39施設(GELTAMO)において、少なくとも1回のタファシタマブ投与を受けたR/R DLBCL患者99名(ITTコホート)および1サイクルを完了した83名(有効性解析コホート)を対象とした多施設共同後方視的観察研究である。介入はタファシタマブ(12mg/kg)とレナリドミド(25mg/日、3/4週)を最大12サイクル併用し、その後はタファシタマブ単剤を継続するデザインとし、主要評価項目は有効性解析コホートにおける客観的奏効率(ORR)に設定された。統計手法として、Kaplan-Meier法による生存率推定、Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析、およびレナリドミドの相対的用量強度(RDI)が治療成績に与える影響の評価が実施された。
Key findings
有効性解析コホートにおけるORRは61%(完全奏効率[CRR] 42%)、ITTコホートでは51%(CRR 35%)であり、中央値21.6ヶ月の追跡で奏効期間(DOR)の中央値には達しなかった。
生存期間に関しては、有効性解析コホートの無増悪生存期間(PFS)中央値が10.9ヶ月、全生存期間(OS)中央値が21.8ヶ月であったのに対し、ITTコホートではそれぞれ4.9ヶ月および12.2ヶ月であった。
多変量解析により、良好なECOG PS(0-1)および前治療に抵抗性を示さない再発例が、CRR達成および良好なPFSの独立した予測因子として特定された。レナリドミドのRDI維持は極めて重要であり、RDI 70%以上の群でDORが有意に延長し(未到達 vs 29ヶ月)、87%以上の維持がPFS改善に寄与することが示された。
安全性については、主なグレード3-4の毒性は好中球減少(42%)、感染症(28%)、貧血(21%)であり、概ね管理可能であった。
Clinical perspective
本研究の驚くべき点は、L-MIND試験の登録基準を満たさない症例が7割以上を占める集団において、同試験に匹敵する奏効率と奏効の持続性を実証したことである。
年齢や併存疾患スコア(CIRS)がPFSやOSに影響を与えず、高齢者やフレイルな患者にとっても本療法が有望な選択肢であることを示している。
研究の限界として、後方視的解析に伴う選択バイアスや未測定の交絡因子の存在が挙げられるが、全ての適格患者を連続的に登録することでその影響の軽減が図られている。
今後の展望としては、STARGLO試験で示されたグロフィタマブ併用療法などの新規治療との最適な使い分けなど、治療戦略の確立に関する研究が期待される。


