Core Clinical References

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Humoral immunity defects(B-cell / immunoglobulin)

液性免疫は、B細胞・抗体・補体(特に古典経路)によって構成され、細胞外病原体の中和とオプソニン化を通じた排除を担う防御機構である。この経路が破綻すると、莢膜被包菌や一部ウイルスに対する防御が失われ、反復性呼吸器感染や侵襲性感染症が臨床像の中心となる。
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Cellular immunity defects(T-cell mediated)

細胞性免疫は、抗原特異性をもって免疫応答全体を統合し、潜伏病原体の「封じ込め」を維持する質的防御の中核である。T細胞機能が破綻すると、感染症は急性感染主体から再活性化・慢性化・播種性病態へと移行し、臨床推論の起点は臓器ではなく宿主背景と環境因子になる。
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Neutropenia / neutrophil dysfunction

好中球数減少は、免疫不全患者における感染症診療の最も重要な出発点であるが、それだけで感染リスクの全体像は捉えられない。好中球の「深さ・持続期間・機能」を統合的に理解することが、発熱性好中球減少症の本質を見誤らないために不可欠である。
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Barrier disruption(physical and mucosal barriers)

がん治療に伴う免疫不全は、好中球減少だけでなく、生体バリアの破綻によって感染症の「入口」が形成されることが本質である。バリア障害と好中球減少の役割の違いを理解することが、免疫不全患者における感染症リスク評価と臨床推論の基盤となる。
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免疫機構を「バリア」「好中球」「細胞性免疫」「液性免疫」の4つに分類する

免疫不全患者では、宿主防御機構のどのレイヤーが、いつ、どの程度障害されているかによって感染症リスクは大きく異なる。バリア、好中球、細胞性免疫、液性免疫という防御構造を分解して理解することが、免疫不全感染症診療の基本となる。
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免疫不全患者における Epidemiological Triad の応用

疫不全患者では炎症反応が乏しく、臓器症状を起点とした診断推論が成立しにくい。病原体・患者背景・環境の相互作用として病態を捉える Epidemiologic Triad は、このような状況下で感染症を構造的に理解するための有効な思考枠組みである。
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三要素の相互関係とロスマンの因果モデル

感染症は、病原体・宿主・環境という三要素が動的に相互作用し、「十分原因」が形成されたときに結果として顕在化する。三要素のどこに介入すべきかを見抜くことが、感染症診療における診断・治療・予防を貫く基本的な思考枠組みである。
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感染症成立における「環境因子」の役割

環境は、病原体と宿主が接触する「場」を形成し、感染症成立の前提条件を規定する要素である。個々の症例の背後にある環境因子を把握することは、診断精度の向上のみならず、流行の制御や再発防止戦略を考えるうえで不可欠である。
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患者背景(Host)から考える感染症リスク

患者背景は、栄養状態、免疫学的状態、解剖学的構造、年齢、行動様式、遺伝的背景などが重なり合って感染症リスクを規定する要素である。これらを構造的に評価することで、「免疫不全か否か」という二分法では捉えきれない感染症の成立機序を臨床的に理解することが可能となる。
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病原微生物(Agent)からみた感染症の成立

感染症の成立は、病原微生物の存在そのものではなく、病原性や曝露量と宿主免疫との相対的な関係によって規定される現象である。病原体側因子をこのように構造的に捉えることは、免疫不全の有無を問わず、臨床に即した感染症診療の出発点となる。